11月 292010
 

大河ドラマを最初から見逃さずに完結したのは初めての経験だ。

「坂本龍馬」という思い入れの強い人物だったこと、絶妙で細かく配慮の行き届いたキャスティング、

フィルムで撮っているかのような繊細な映像と、切れることのない長回しの演出など、

NHK「大河チーム」に大喝采、大感謝である。

この物語の舞台が、わずか150年前の「日本」の出来事だとは信じ難い。

今回の龍馬伝を観続けてきて、一番の盛り上がりは、

「龍馬暗殺」でもなく「大政奉還」でもなく「武市半平太と富との別れ」だったことは、

歴史は、ささいな日常の積み重ねなんだと思った次第です・・・。

11月 142010
 

今晩の主役は、山内容堂でも坂本龍馬でもなく、間違いなく「後藤象二郎」だった。

それほど、後藤象二郎役「青木崇高」は際立っていた。

上士としての憎まれ役から、坂本龍馬の朋友となるまでの変遷を、

これほど違和感なく上手く演じられることは驚きだ。

殿様の前で「龍馬が妬ましかった・・・。」と心情を吐露する場面は、

これまでの龍馬伝の中でも、心に残る名場面のひとつだ。

さて、龍馬暗殺まであと2話。

これからは、もちろん福山龍馬が主役だ。

11月 082010
 

「龍馬伝」も残すところ、あと3回。

「坂本龍馬」への思い入れはもちろん、その配役の絶妙さ、映像の美しさに

とうとう最後まで逃さず観ることになりそうです。

さて、昨夜の「龍馬の休日」。(かなりパロディーなタイトル・・・?)

龍馬とおりょうが過ごす、最後の一夜。

龍馬の妻「お龍」役に、おそらく「真木よう子」しかいなかったであろうと思わせた。

芯の強さと勝気な性格と情の脆さや一途さ。

龍馬に「一緒に風呂に入ろう。」と言われ恥じらうおりょうの姿に、

48歳のオヤジは心撃ち抜かれました。

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9月 062010
 

大河ドラマ「龍馬伝」もいよいよ佳境に。

龍馬を描くうえでひとつのクライマックスが、「薩長同盟締結」と「寺田屋襲撃」だろう。

昨夜の寺田屋襲撃が史実とするならば、歴史はなんとドラマチックな演出をするのだろう。

龍馬を警護するのは、槍の名手「三吉慎蔵」ただひとりに、幕府方10数人が寺田屋を取り囲む。

幕府方の襲来を知らせるために、薩摩藩邸に駆け込む「お龍」。

命からがら襲撃を逃れ、材木置場に隠れた龍馬を、薩摩藩を伴った三吉慎蔵が救い出す。

寺田屋脱出劇が、「坂本龍馬」を伝説へと昇華させた。

わずか150年前の日本には、たしかに志のため命をかけた志士達が存在した。

代表選の最中、メディアに向け「命がけで日本の改革に取り組む」と語る政治家のあまりの言葉の軽さに

愕然とする。

5月 262010
 

先週の「龍馬伝」を何回見ても、同じ場面で泣いてしまう。

自分でも涙腺がおかしくなったのかと思うくらいだ。

投獄間近の「半平太」と、それを覚悟する「富」の朝餉での会話のシーンは

今までの「龍馬伝」の中でも、秀逸だ。

気持ちの高ぶりが抑えられなくなる「大森南朋」の演技も素晴らしいが、

それを包み込むように優しく応える「奥貫薫」の演技はあまりに切ない。

子どもができない妻は、離縁されても文句は言えない時代に富を一筋に愛し、

夫が投獄されている間、同じ境遇に置くため、富はずっと板の間で寝ていたという。

そんな夫婦の形は、120年前には当たり前の姿だった。