先日、NHK-BSで放送された「氷の世界から40周年」特番は、心震えるほど素晴らしい番組だった。
1973年12月に発売され、130万枚を売り上げた伝説のアルバム「氷の世界」を、
陽水本人はもちろん、当時のレコーディングスタッフ、陽水ファンを自認する著名人の証言など、音楽番組としても秀逸な作品だった。
発売当時、歌謡曲しか知らなかった中学生の私が、TVで観た「心もよう」の衝撃は今も覚えている。
音楽に影響を受けた原体験は、陽水のデビューアルバム「断絶」だったし、それは、その後の東京への憧れにも繋がっていく出来事だった。
現代、アイドルグループが連続でミリオンセールスを達成させることとは次元の違う、日本社会全体のムーブメントのひとつとして「氷の世界」を買った130万人がいたという現実だった。
番組の中で、作家「伊集院静」氏は「陽水は『氷の世界』で終わるつもりで作っている覚悟が感じられる。」と語り、小室ひとし氏は、「日本の音楽業界の終わりの始まりだった」と話す。
たかが、一枚のレコードが、40年前間違いなく「されど、一枚」のレコードとなった・・・。