12月 302013
 

先日、NHK-BSで放送された「氷の世界から40周年」特番は、心震えるほど素晴らしい番組だった。

1973年12月に発売され、130万枚を売り上げた伝説のアルバム「氷の世界」を、

陽水本人はもちろん、当時のレコーディングスタッフ、陽水ファンを自認する著名人の証言など、音楽番組としても秀逸な作品だった。

発売当時、歌謡曲しか知らなかった中学生の私が、TVで観た「心もよう」の衝撃は今も覚えている。

音楽に影響を受けた原体験は、陽水のデビューアルバム「断絶」だったし、それは、その後の東京への憧れにも繋がっていく出来事だった。

現代、アイドルグループが連続でミリオンセールスを達成させることとは次元の違う、日本社会全体のムーブメントのひとつとして「氷の世界」を買った130万人がいたという現実だった。

番組の中で、作家「伊集院静」氏は「陽水は『氷の世界』で終わるつもりで作っている覚悟が感じられる。」と語り、小室ひとし氏は、「日本の音楽業界の終わりの始まりだった」と話す。

たかが、一枚のレコードが、40年前間違いなく「されど、一枚」のレコードとなった・・・。

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12月 242013
 

今回は、ソチ五輪代表決定ということで、大盛り上がりだった「全日本選手権」。

引退をかけた安藤美姫選手の出場といい、浅田真央選手の2回のトリプルアクセルへの挑戦といい、極限に挑む選手達には、心打たれた。

ただ、大会終了後の先行に関しては、疑問が残る。

今回の焦点となったのは、男子の3枠めが、高橋大輔選手なのか小塚崇彦選手なのかだが、実績と世界ランクから今回5位と敗れた高橋選手が選出された。

小塚選手の内心は忸怩たるものがあるだろう・・・。

アメリカのように、一発勝負3位までとならないところが日本人らしい曖昧さを残すことになるのだが、今回浅田選手が10位であっても、連盟としては選ばざるを得ないジレンマがあっただろう。

ならば、あらかじめ大会前に高橋選手と浅田選手には内定を与える措置があってもいいように思うのだが、大会を興行的もしくはスポンサーを考慮した視聴率という観点からみれば、それもできなかったという訳か・・・。

結局は、今回の先行の是非は、ソチ五輪本番の結果でしか量れないということか・・・!

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12月 232013
 

昨日、京都で開催された男女の高校駅伝を観ながら、遡ること35年前に思いをはせた。

高校1年16歳の私は、陸上部の友人に誘われて、高校駅伝の和歌山県予選を走った。最短の3km区間の第5区だったと思う。

当時の母校は、陸上部はあったが、長距離走の選手が少なく、足りない人員は他の運動部から寄せ集めて参加した。

そんな予選だったので、成績はよくはなかったが、最下位という訳ではなく、中位だったと思う。

5区では、ほぼ順位も決定した状態でタスキを受け、曇り空の田園地帯をひたすら走り続けたのを昨日のことのように覚えている。

高校駅伝では、和歌山県勢は40位前後と振るわないが、いつかわが県の高校でベスト3に入るようなチームが出てきてほしいものだ・・・。

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12月 202013
 

1995年の公開というから、もう18年の前になるんだ~。

岩井俊二監督の名作「Love Letter」を久しぶりに観たが、まったく古臭さを感じさせることない瑞々しい作品だった。

主演でかつ、二役を演じる「中山美穂」の旬な女優しかだせない隙のない美しさが素晴らしい。

あんなに輝いていた、「中山美穂」にはもう会えない。

北海道・小樽の街並みの映像は、新鮮で美しい。

岩井監督も当時、若手の旗手のように注目されつつ、今に至るまで「Love Letter」を超える作品を生み出せない。

どうしてるんだろう・・・岩井俊二。

95年、当時絶頂に向かいつつあった二人と、映画に取り組みはじめたばかりの「フジテレビ」。

幸せな結びつきが、素晴らしい作品を残したということか・・・。

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12月 192013
 

映画「永遠の0」の公開を控えて、原作者の百田尚樹は各局引っ張りだこの人気である。

映画のプロモーションに原作者が引っ張り出せれることは珍しいが、その特異なキャラクターと弁舌さわやかなしゃべりは、タレント顔負けの存在だ。

小説家になる前が、放送作家であったということで、テレビの使い方をよく知っているということか・・・!

先日、ある番組で、小説を書く前には、まずその素材について、徹底的に取材することから始めるらしい。

最近、百田氏の「モンスター」を読んでいて感じるのは、たしかに素材(「モンスター」で言えば、美容整形)について詳細なデータを読み物として面白く、かつわかりやすく調理してくれている。

さすが、現代のベストセラー作家と納得はするのだが、やはり「小説家」という仕事は、中上健治や壇一夫のような命を切り刻みながら、それでも書くのだという情念みたいなものが必要だと思ってしまう。

古い考え方かもしれないが・・・。

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 Posted by at 5:22 PM