4月 302013
 

フジテレビが、長きにわたり、追いかけているドキュメンタリー「野田聖子 わたし母になりました」が放送された。

2年ほど前にも放送されて話題になったが、今回はその続編ということで、出産後からいく度もの手術と、退院までを追いかけている。

前回の放送時にも、思ったのだが、この番組を観て感じるのは、どうしてもぬぐい去れない違和感である。

その違和感の原因は、両親への子どもに対する思い入れに感情移入ができないことによる。

国会議員という特殊な仕事を持つ母は、幾度も手術に立ち向かう息子のそばに、付きっきりになることができない。

ならば、父親が母に代わってその役目を担うかというと、場面場面に立ち会っているだけに観える。

どういう懸念があるのかわからないが、医師も看護師はすべて顔にモザイクが入っていて、個人が特定できないないような配慮をしているので、いったい子どものそばに寄り添って見守っているのが誰なのかがわからない。

そして、障害をもって生まれたきた子どもに対して、父親と母親との間で交わされるであろう葛藤や、苦悩、退院後のケアなどについて両親の考えが、一切映し出されない。

ちょっど、昨日、TBSで放送されたドキュメンタリー「生命の誕生」の中で、45歳で不妊治療に挑んだ女性の「私は、子どもが欲しいのではなく、主人の子どもだから欲しいのです。」という悲痛な叫びこそ、本来の家族の形ではないのだろうか・・・!

 Posted by at 9:53 AM
4月 262013
 

我々の世代は、「家族ゲーム」と言えば、森田芳光監督、松田優作主演で話題となった映画作品だ。

あの当時、あのエキセントリックな家庭教師は、大学生だった私には強烈に印象に残るものだった。

そのリメイク版が、フジテレビで始まったが、正直、その家庭教師役が、あの爽やかな「桜井翔」では、厳しいな~と思っていた。

意外にも、桜井くんの家庭教師役がはまっていて、なかなか面白い。

ただし、映画版とはティストが異なり、現在版「家族ゲーム」として、別物と考えた方がいい。

とくに第2話の「いじめ撃退法」の話は、これまでのどの学園ドラマより、意外性と説得力があって、

「脚本の勝利だ」と感心させられた。

このまま、エスカレートしながら、楽しませてくれるのだろうか~?

桜井くんの過去の暗いトラウマが場面ごとに挿入されているのが、気分を重くするが、父親役の板尾創路、母親役の鈴木保奈美は、まさにはまり役。

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 Posted by at 7:28 PM
4月 232013
 

「きゃりー」というのは、言うまでもなく人気アーティスト「きゃりーぱみゅぱみゅ」のこと。(ひらがな表記はこれであってるのかな~?)

先日、大盛況のヨーロッパツアーの模様が、TVで紹介され、海外では、音楽だけでなく、そのダンスやファッションを真似する女性が爆発的に増えているらしい。

正直、「きゃりー」のことに詳しい訳ではないが、一時期ロシアなどでもてはやされた「AKB」の人気とはレベルが違う気がする。

それは、秋元康氏におけるAKBのような操られた存在ではなく、「きゃりー」自身のセルフプロデュース能力なのか。

日本のアーティストが、アメリカ進出する場合、ドリカムや松田聖子がそうであったように、言葉の限界に遮られる。

言葉はネイティブなはずの「宇多田ひかる」でさえ、相手にされなかった現実。国内では、大物とされるアーティストも、挑戦することさえ諦めてしまった感がある。

そして、時代は「きゃりー」なのだ。日本的なものと非日本的なものの境界線上にいる「きゃりー」のオリジナリティが、世界を凌駕する可能性にわくわくする。

願わくば、「きゃりー」の楽曲が、ビルボードのヒットチャートを駆け上り、第二の「スキヤキソング」となる日が来ることを祈らずにはいられない。

 Posted by at 11:23 AM
4月 182013
 

今週から、はじまったNHKの連ドラ「第二楽章」。

この枠、過去に「ラストバージン」や「はつ恋」など、大人の恋愛を描いた秀作が続く。

今回も、同じオーケストラにいた親友2人が、1人はソリストとしてアメリカに渡り、もう一人は、出産を機に主婦への道を歩く。その二人の15年後の人生を描く。

「うまいな~」と思うのは、そのキャスティング。

民放では、きっと脇役になってしまう女優「羽田美智子」、「板谷由夏」を主役とすることで、演技は安心できるし、失礼ながら、トップ女優より、コストも安くすむはず。

そういえば、「はつ恋」も、木村佳乃と伊原剛という絶妙なカップリング。

ギャラを抑えた分を、オーケストラの練習風景やコンサート会場などのドラマ周辺のシーンを丹念に描いている。

民放では、ドラマがすっかりエンターテイメント化してしまい、こんなこと現実では起こり得ないだろうと思わせる話ばかり・・・。(例外的に「最後から二番目の恋」や「最高の離婚」などもあるが)

民放ほど、視聴率の呪縛がないからなのか、大人の恋愛ドラマをしっとりと描けるNHKには、ついつい期待してしまう。

 Posted by at 9:34 PM
4月 172013
 

先日、死去した名優「三國連太郎」について、息子「佐藤浩市」がインタビューに答えていた。

「父としての三國連太郎は、どうでしたか?」という問いに、

「ひどかった・・・。」とひと言。親子のことは、きっと親子の間でしかわからない。

親子の確執など、俳優同志でなくても、とくに、父と息子の間には、語り尽くせぬものがある。

息子は、いつも無意識のうちに、父親の背中を追いかけているものだから・・・。

一昨年、亡くなった我が父とも、断絶に近い時期もあったし、父の生き方について、意見したこともあった。

亡くなった今も、父親との関係について考えると、やりきれなさを感じている。

三國さんの場合、孤高の役者として、家庭を顧みることなしに生きてきたのだから、息子として、理解し合うことを難しかったに違いない。

せめて、同じ俳優の世界で、偉大なる先輩であったことが、父にとっても息子にとっても、救いだった気がする。

「息子には、追いつかれたくはないね。」と語った、生前の三國さんのインタビューが印象的だった。