フジテレビが、長きにわたり、追いかけているドキュメンタリー「野田聖子 わたし母になりました」が放送された。
2年ほど前にも放送されて話題になったが、今回はその続編ということで、出産後からいく度もの手術と、退院までを追いかけている。
前回の放送時にも、思ったのだが、この番組を観て感じるのは、どうしてもぬぐい去れない違和感である。
その違和感の原因は、両親への子どもに対する思い入れに感情移入ができないことによる。
国会議員という特殊な仕事を持つ母は、幾度も手術に立ち向かう息子のそばに、付きっきりになることができない。
ならば、父親が母に代わってその役目を担うかというと、場面場面に立ち会っているだけに観える。
どういう懸念があるのかわからないが、医師も看護師はすべて顔にモザイクが入っていて、個人が特定できないないような配慮をしているので、いったい子どものそばに寄り添って見守っているのが誰なのかがわからない。
そして、障害をもって生まれたきた子どもに対して、父親と母親との間で交わされるであろう葛藤や、苦悩、退院後のケアなどについて両親の考えが、一切映し出されない。
ちょっど、昨日、TBSで放送されたドキュメンタリー「生命の誕生」の中で、45歳で不妊治療に挑んだ女性の「私は、子どもが欲しいのではなく、主人の子どもだから欲しいのです。」という悲痛な叫びこそ、本来の家族の形ではないのだろうか・・・!