先日、東京・上野にある東京文化会館で開催された川井郁子さんのコンサート「音会」に伺った。
川井郁子さんは、日本のクラシック界において、誠に稀有な存在である。
クラシックアーティストでありながら、作曲家でもあり、昨年「北のカナリア」での主題歌は、アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞した。
コンサートでは、決して譜面台を立てず、暗譜により、演奏する。その弾きぶりは、音楽を奏でながら、まるでダンスのようでもある。
最近タンゴを習い始めた話をしていたが、演奏中はまるで何かを演じている女優であるかのようだ。
あまりヴァイオリンのテクニックについて語られることの少ない川井さんではあるが、そのテクニックも素晴らしい。
それにもまして、その卓越した表現力に、驚かされてしまうのである・・・。