11月 182014
 

敬愛してやまない消しゴム版画家「ナンシー関」さんが亡くなって13年がたった。

先日、パルコミュージアムでその回顧展「顔面遊園地 ~ナンシー関 消しゴムの鬼~」なる展覧会に出かけた。

1980年代~2000年代までの20年を消しゴムを掘り、文章を書くことだけで、世を斬り裂いた鬼才だ。

とくに、そのテレビ評論は卓越したセンスと鋭い視覚は、だれも真似することができない芸当だ。

世の中の誰もが、薄々感じていることで、しかし、誰も口にすることがはばかれた大物芸能人に対して、

何の躊躇もなく、一刀両断で切り込む姿勢に、どれだけスカッとさせられたか・・・。

テレビが、「メディアの王様」として君臨していた時代の申し子だったかもしれない。

もし、今の時代を生きていたら、人気のAKB48やEXEILE、秋元康、百田尚樹に対して、

どんな毒舌が聴けたのだろう・・・。

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 Posted by at 11:45 AM
12月 092012
 

先日、話題の展覧会「ツタンカーメン展」に行った。

開幕してから随分たち、入場したのも夕方だったので、並ぶこともなく会場に。

それにしても、凄い!

紀元前1400年というから、3400年も前の埋葬物が、いくらお墓の中にあったとはいえ、

あれほど完全な形で残っているとは・・・。

棺、装飾品、彫像、短剣・・・出てくる、出てくるって感じ。

その色の鮮やかさ、文様の細かさなど、当時のエジプト文化のレベルの高さにも驚かされた。

また、展示品に見入るうちに、一種の妖気(?)とも言える不思議な気持ちになってくる。

帰り、知り合いのスタッフに話を聞くと、やはり予想以上に身分の悪くなる人が多いとのこと。

3400年もの間、棺に埋葬されていたものなのだから、なんらかの「気」が漂うのは仕方ないことなのかも知れない・・・。

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 Posted by at 11:59 AM
12月 092010
 

現在国立新美術館で開催中の「ゴッホ展」を観た。

幸いにも、一緒に観たのが、元Nテレビの展覧会広報担当の方だったので

その絵にまつわるゴッホの人生について、説明を受けながら観ることができた。

日本の浮世絵に多大なる影響を受けたこと。日本は、「黄金」の国で憧れだったこと。

ゴーギャンとの同棲生活はわずか2カ月で終わり、その別れのショックから片耳を傷つけてしまったこと。

精神病院で送った晩年は、ゴッホの目に映る風景がすべてゆがんで見えていて、

そのまま作品に投影されていること。

生きている間に売れた絵はたった1枚で、その絵は馬小屋の風除けとして買われたこと・・・etc.

「ゴッホ」は「ひまわり」の強烈な黄色のイメージが強いが、

その生涯のあまりにも暗く、貧しく孤独な天才だった。

その絵に対する偏屈なまでの情念こそが、「ゴッホ」なのかもしれない・・・。

 Posted by at 3:25 PM