先日、プラハ国立劇場オペラの「フィガロの結婚」公演を観た。
日本では、オペラの観劇って、もしかすると日常から一番遠い世界なのかもしれない。
料金だけをみれば、ゴルフや海外旅行は、もっと贅沢かもしれないが、「オペラの観劇」の非日常性には、遠く及ばない気がする。
プッチーニやヴェルディ、モーツアルト、ワーグナーという音楽の教科書でしか見ることのない名だたる作曲家に、200年前のヨーロッパという舞台設定や衣裳、イタリア語やドイツ語などの原語で歌われる歌曲。
終演までの3時間あまりは、まるで夢か幻のような世界だ。
先日の公演中、ふとモーツアルトがどんな感情で、どんな状況の中、「フィガロの結婚」のあの美しいメロディを創作していたのかを思いめぐらせた。
さすがのモーツアルトも、200年後、はるか彼方の東洋の街で、自分がしたためた曲が演奏されているとは、予想だにしなかったことだろう・・・。